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「人文×社会」からゲストをお呼びした勉強会(2022/4/23)

更新日:2022年5月21日

ラボラトリ文鳥では、2022年4月23日10~12時にオンラインにて、オンライン学術雑誌「人文×社会」立ち上げメンバーの一人である谷川みらいさんをお招きし、勉強会を開催しました。

「人文×社会」とのご縁は、ラボラトリ文鳥内で2021年初頭に開催された勉強会の成果を、辻本が同誌第2号に投稿したことに始まりました。その後、ラボラトリ文鳥のメンバーが人文×社会のスラックに加入したり、人文×社会で企画された『ゲンロン戦記』の読書会にラボラトリ文鳥のメンバーも参加したりするようになりました。


人文×社会とラボラトリ文鳥は、同じ東京大学(前者は本郷、後者は駒場)の人文社会系大学院生のコミュニティから出発したという点で共通していますが、今回、谷川さんから話題提供いただいたことで、両者の活動がはじまったきっかけとして対照的な部分も見えてきました。人文×社会は2020年10月の日本学術会議任命拒否問題を学問の危機と捉え、東京大学文学部を基盤とする新たなアカデミックな自治の形をつくりだそうとしてスタートしていました。一方、ラボラトリ文鳥は2020年夏から大学のキャンパスから離れた場所に拠点(探求→究する家)を持つことで、メンバーの個人的な悩みや切実さを共有し合う生活者のコミュニティとして始まっていました。


しかし、対話を進めていくなかで、かならずしも二つの団体の活動の性格は二項対立的ではないということも見えてきました。例えば大学の自治や研究の継続環境の問題は、学術会議任命拒否問題のような社会的に大きな問題のみならず、一生活者としての悩みや切実さに直結しています。反対にラボラトリ文鳥のような生活者の互助的な活動を謳っている団体であっても、運営にあたって助成金を得て活動するのであれば、広く社会に対して人文社会科学の意義を言語化していかなければなりません。


社会問題、学術研究、そして個人的な悩みや切実さに対して、それぞれどのくらい比重を割いて、どのようにアプローチするかというのは極めて難しい問題ですが、今回の勉強会のなかでは、二つの団体が様々な調整を図りながら、試行錯誤している状況も共有できました。今後も、引き続き交流や意見交換ができたらと思っています。(辻本侑生)



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